還浄された御門徒様の学び跡


聞法ノート 第一集 11

空について

【浄土真宗の教え】

 空について

「空」とは、サンスクリット語で(SUNYA)シューニャといい、[〜を欠いている]との意味があり、インドでつくりだされた数学でなくてはならない数[ゼロ=0]をあらわす。
 空の思想はいくつかの発展をへて今日に至っている。
 この SUNYA は、SU(膨張する)からつくられた SUNA にもとづいて、空虚・欠如・膨れ上がって内部がうつろなどを表している。
 初期には――

この講堂には牛はいない、牛について言えば、空(欠如)である。しかし、比丘がおり、比丘については空ではない(残るものがある)

『中阿含経』 より

などの用法があるが、大乗経典が説かれると「空」が反復して使われるようになり、龍樹菩薩が空の理論を大成されたのである。

 空は有でも無でもなく、しかも有であり無である。
 空は無自性なるもの。

自性: 其自身で孤立的に存在している実体
無自性: 自性(右の釈の通り)を否定したもの
 竜樹菩薩は相依・相待の縁起説により自性を否定して覆し、無自性を徹底させ自由で広大な空の有り方が浸透する。空―無自性は、実体的な思考を排除すると同時に、一切のとらわあれのないさとりの境地を如実に示す。

(参考:『岩波仏教辞典』)

(※[空の概念と虚無の概念の違い] も参照して下さい)

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[釈勝榮/門徒推進委員]


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