還浄された御門徒様の学び跡 |
夏たけて 堀のはちすの花みつつ
ほとけの教え 憶う朝かな
昭和六十三年七月 皇居の道灌堀に咲く蓮の花をご覧になって詠まれた御製である。崩御されたのが翌年一月七日であるから、詠まれてまもなく病の床に伏されることになる。
そのわずか前のこの朝、かつて神とされた天皇は、ほとけ様の慈悲の光に包まれながら、なにを憶念されていたのか。わたしは「阿弥陀さまのお浄土の、十方の、一切衆生をすべて包み込み、すくい取るほとりのない世界」をしみじみとおしえてくださるようなお歌であると想うことである。
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