還浄された御門徒様の学び跡


聞法ノート 第一集 8

DNA

【浄土真宗の教え】

 DNA

 今の時代、生命は遺伝子やDNAで語られる時代になった。DNAには生命をつなぐ情報が担がれている。それは四種類(A、T、C、G)のヌクレオチドの組み合わせであるし、そして、その情報がコピーされてわたしに引きつながれている。
 DNAは、正確にはDNAを包括するゲノムといえる。
 その都度発現する、しないにかかわらずゲノムには悠久の昔の生命の起源に由来する全遺伝子を包括しながら、ヒトは人に、イヌは犬になる。
 決してヒトはイヌにもハナにもならない。厳然とヒトゲノムであり、イヌゲノムなのである。また、同じゲノムのヒトゲノムでも、個体(個人)ごとに違う。顔も、肌の色も、性格も違う。
 そして、ゲノムの単位、DNA はヒトもイヌもおなじ言語で書かれていても、ゲノムでみればヒトはヒトであり、イヌはイヌなのであり、個体ごとに他人である。草も虫ももちろんのことである。全DNA情報を解析する事が出来れば生命のヒストリーが明らかになる。
 いま言えることは、A、T、C、Gという単位に行き着くとき、草も木も魚も獣も、人も生物化学的には、皆その構成単位は同じ四種類の塩基ということである。ただ、その順序・数・位置が違うだけである。そのちがいがヒトになり、イヌになる。A、T、C、Gをいのちの根源とみれば、万物一切・一切衆生みな同じいのちをいただいていることの証左であり不可思議のえにし(縁)である。そして、「人と生れることは、たいへん難しいことであり、きわめてまれなことなのである」という仏陀の教言は、まさしくこの悠久の真理を指しているのである

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[釈勝榮/門徒推進委員]


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