浄土に吹く風は快し
まことの風は快し
朝も晩も 人生の風は快し
北風も南風も強風も
私を育てる極上の風
ああされど 私は浄土の風の尊さを忘れ
不平不満を口にする
私の口が浄土の風を汚すのだ
恥づべし 傷むべし
そんな私の荒れ狂う風を
浄土はやさしく受け取めて
今一度吹かれてみよと 快い風を送ってくださる
ああそうでした
この風は私に吹く風 私を育ててくださる極上の風
まだ少し痛みますが この風に吹かれています
浄土の広場は果てしなく広い
皆々様と出会う場所
皆々様と語らう場所
誰にも心を開いて
胸いっぱいの思いを 誰はばからず叫べる場所
ああ されど私は浄土をおそれている
私の小さな捻じ曲がった心が
浄土の広さを おそれているのだ
皆と出会うことを おそれているのだ
皆と本音で語ることを おそれているのだ
なぜなら私は 私の世界の狭さを知っているから
恥づべし 傷むべし
そんな私に如来はまた
心配ないと語りかけて下さる
胸いっぱい語りなさいと 励ましてくださる
ああそれならば 私も浄土の広場に集まろう
恐れながらも そう願い続ける
浄土は極彩色に彩られた世界であり
彩のない世界に彩を与え
味気ない人生に 無限の味を与える世界である
麗し浄土 尊き浄土
浄土あるゆえ私は今まで 生き甲斐を得ていたのだ
知らず知らず浄土より 生き甲斐を得ていたのだ
ああ それなのに私は
浄土の彩を忘れ 穢土の虚しい世界を求めてきた
味気ない人生を虚飾によって飾ろうとしてきたのだ
恥づべし 傷むべし
せめて今から 私は浄土の極彩色を心の眼で見よう
そして願わくば全ての人が
いつわりの飾りを捨て
浄土の深く浄らかな荘厳を味わわれんことを
[←back] | [next→] |