還浄された御門徒様の学び跡 |
まことに不可思議なえにし(縁)である。
父と母は、わたしに、弥陀のみひかりに遇わさせてくださるために、 わたしをこの世にみちびいてくださった。
そして、父も母もわたしを阿弥陀如来のおすくいの中に委ねなさい、 と自らのその生き様を示し、往生の道を問う生活を授けてくださった還相の仏としか、私には思えないのである。
いま、わたくしはなんのためらいもなく、そう思うことが出来る。
父と母の仏縁を慕い、たずねながら、この世に生れさせていただいたご縁を慶び、生きる意味を問う聞法の記録をつづることを考えてきたが、いま時間を得てその一歩を踏みだすことができた。今日はなんと素晴らしい一日であろう。
南無阿弥陀仏 なもあみだぶつ なもあみだぶつ
平成十二年三月二十一日起 釈勝榮
『顕浄土真実教行証文類』行文類二 正信偈 より
弥陀の誓願不思議にたすけられまゐらせて、往生をばとぐるなりと信じて念仏申さんとおもひたつこころのおこるとき、すなはち摂取不捨の利益にあづけしめたまふなり。
『歎異抄』1 より
釈勝榮さんには、数多くの質問を送っていただく中でご縁を結んでいただきました。長年聞法に励んでみえ、門徒推進員として寺院の活動にも積極的に参画される中での質問、と承っております。
上記のように、「生きる意味を問う聞法の記録をつづることを考えてきたが、いま時間を得てその一歩を踏みだすことができた」という表明から一年余後、平成十三年七月に『聞法ノート 第一集 念仏のおいわれ・四十八願』および『聞法ノート 第二集 逆謗摂取・諸仏称名の願』が発行され、当方にも送っていただきました。
一読すると、その聞法の熱心さにうたれ、さっそくHPに掲載をお願いしましたが、快く許可していただき、連載の運びとなりました。
なお、二冊の『聞法ノート』は、本としての体裁が前提で作られておりますので、サイト掲載用に多少の手直しを許していただきましたことを釈勝榮さんに感謝します。
また本では、仏教の基本を踏まえた上での記述が前提のため、入門者には多少難解な向きも見られましたので、随時 [編集註] を入れさせていただくことにしました。若輩者が筆を入れますので、時として蛇足になるかも知れませんが、その際はご容赦下さい。