平成アーカイブス  【仏教Q&A】

以前 他サイトでお答えしていた内容をここに再掲載します
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【仏教QandA】

浄土真宗・阿弥陀仏の事を深く学ぶ方法

― ご縁を尊び、本願を学ぶ環境をととのえる ―

質問:

いつも大変お世話になっております。

幼稚園はカトリック系。
中学・高校はプロテスタント系の女子校で毎日礼拝が有り
毎週聖書の授業が有り、日曜日には教会にも通ってました。
大学は、曹洞宗系。(でも普通の学科)
2年間、宗教の時間や座禅実習が有りました。

我が家は西本願寺派なのですが
今まで、特に意識したことは有りませんでした。

でも・・・
昨秋、亡くなった父の容態が悪化し
個室で寝泊りで看護するようになってから
急に興味が湧き始めました。

そして、入門書的な本を数冊読みましたら
大変ココロが癒されました。
ココロに染みとおるお言葉が有りました。
生まれて初めての体験でした。

そして、今、浄土真宗・阿弥陀様の事を
深く学びたいと思うようになりました。

全くの初心者ですので、分からないことだらけです。
掲示板でも、いっぱい、ご質問させていただきました。

今までずっと
ご先祖様のお墓参りと法事に行くことくらいしか
してきませんでしたから。

今ふつ−のOLです。
横浜に住んでおります。

少しでも学ばせていただきたいと思うのですが
どうすれば良いか教えて下さい。
宜しくお願い申し上げます。

返答

 他宗教・他宗旨とのご縁

 他宗教・他宗旨との関係は、比較するのではなく、まずは求道のご縁として尊んでいただきたいと思います。
 ヨーロッパの真宗僧侶ジャン・エラクル師は、著書『十字架から芬陀利華へ――真宗僧侶になったある神父の回想――(国際仏教文化協会)』の中で、

人の究極的真実への真摯な求道はその人を必然的に目的へと運んでゆくのです。

[二つの宗教のはざまで] より

と述べてみえますが、ご質問者も、これまでの人生の中で真実の生き方を求めて歩み続けてみえたのかも知れません。意識するしないに関わらず、人はそうした求道心によって奥底で支えられ動かされているものです。そしてその本来的・普遍的にある求道心に光を当て、姿を現わし、言葉で示したものが仏教で、この法を聞き開いてゆくことを聞法といいます。

 ここにおいて、無目的に欲望にとらわれていた生き方から、自律的に真実心に裏打ちされた生き方への転換が果されるのです。さらに浄土真宗の特徴は、大乗仏教において「一切衆生悉有仏性」「すべてのいのちに尊き性あり」と明らかにされた覚りの眼が、現実に展開する理念と方法を持っていることにあります。如来の本願力に出遇い、浄土を依りどころとすれば、全ての人々が必ず大乗の仏となり、念仏の功徳によって有縁の人々を済度することもかなうのです。

 如来は、すべての衆生に智慧の光を放って<尊いいのち>と拝み、見抜いたまま慈悲の心で導かれるのですが、「この導きに気付いてくれよ」と語りかけ、誰一人として漏れることなく、捨てることなく覚りに渡すことから、この如来を「阿弥陀」「無量寿」「無量光」等と名づけたてまつるのです。如来は決して人を裁きません。
 この如来が遠い存在ではなく、いまここにおいて法を説き私を真実の道にいざなってみえる。しかも、はるか過去から不断に呼びかけられていた、と気がつくと、おっしゃる通り心に染み渡る感動を覚えます。

 私たちは、如来が<尊いいのち>と拝まれた通りを受け入れ、受け入れた願いに適った生き方をし、如来の拝まれた通り人々を拝んで生きていくことが勤めとなります。これは仏教者の勤めという以上に、人間としての勤めであろうと思われます。それとともに、拝まれていたいのちと知らず、自堕落に暮らし、他人を見下げたり、逆に隷属したり、尊い願いに適わないような生き方をしてきたことを深く懺悔する。そうした機会を得られたことを、また喜びとさせていただきましょう。

 仏教を学ぶ環境

「そして、今、浄土真宗・阿弥陀様の事を 深く学びたいと思うようになりました」

とのことですが、横浜ですと――

『築地本願寺』
〒104−8435 東京都中央区築地3−15−1
電話 03−3541−1131
 等に参拝されてはいかがでしょう。多くの教化団体もありますので、仏縁を深めることができると思います。もちろん、ご縁の寺院の催しにも積極的に参加されてください。

 また、『中央仏教学院』では「通信教育部」を設け、家庭や職場にいながら体系的に仏教・浄土真宗を学ぶことができます。義務教育を終了した方ならだれでも応募できます。募集期間は4月から6月までですから、ちょうどこの時期に「入学案内」を請求して出願する人が多くなる頃でしょう。毎年ほぼ1000人の応募者があるそうです。
 詳しくは――

中央仏教学院 通信教育部「入学係」
〒615−0091 京都市右京区山ノ内御堂殿町27
TEL:075−801−3507   FAX:075−822−5539
にお尋ねください。

 なお、家庭で仏教を学ぶには、聖典等が必要となります。
『本願寺出版社』では、ネット上で本を買うことができますのでご活用ください。
 学習に必要な「聖典・経本」は、基本的に――

『浄土真宗聖典(註釈版)』B6判/1594頁/\3,810/ISBN:4-89416-252-0
『浄土三部経(現代語版)』B6判/246頁/\1,200/ISBN:4-89416-601-1
『顕浄土真実教行証文類(現代語版)』B6判/705頁/\1,600/ISBN:4-89416-668-2
『浄土真宗聖典−勤行集−』B6判/225頁/\450/ISBN:4-89416-282-2(大)

等ですが、必要に応じて他の本もお求め下さい。



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浄土の風だより(浄土真宗寺院 広報サイト)