平成アーカイブス 【仏教Q&A】
以前 他サイトでお答えしていた内容をここに再掲載します
|
質問:
法事などの挨拶で「ご体解様でございます」という言葉を良く聞きますが、この体解とはどういう意味でしょう? |
「ご体解様」…、「自ら仏に帰せば当に願うべし、衆生は大道を体解して無上の意を発さんと」=華厳経に出てくる「身をもって理解すること」・「身証体解」という意味もありますが、法事の席で言う場合は「大儀」たいぎ,たいげ≠ニいう意味でしょう。仏や先祖を供養する現れをいいます。
意味は、「ご大儀様」ということで、ご苦労さまでした、といったようなニュアンスの意味で使われています。
古い名古屋弁だと思うのですが、使われなくなりつつあることばです。
ことばの伝播・拡散については、柳田国男が『蝸牛考』に「方言周圏論」という考え方で明らかにしています。
ちなみにその他の地域では・・・?
私の住む寺では、坊守である母親がお布施や、懇志を頂くとき、「ごたいぎさんにあずかりまして」と言います。(三重県員弁郡大安町)
私の母親もよく使う言葉です。(三重県四日市市)
私も使っています・・・ってことは、私も古い人間でござんしょうかね? (愛知県名古屋市)
お布施は僧侶個人がいただくものではなく、あくまで仏法僧の三宝に供えるものですから、僧侶は「御大儀(ごたいぎ)、預かります」等と述べて仮に受け取り、仏に供えます。布施は原則、法を弘める宗教活動の資金としてお預かりします。なお僧侶個人へは、そうした寺の活動の一環として給料が支払われるのです。
ちなみに、僧侶の給料は課税対象ですから、坊主丸儲け、というのは間違っています。