平成アーカイブス 【仏教Q&A】
以前 他サイトでお答えしていた内容をここに再掲載します
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質問:
教行信証のなかの阿闍世王物語に六師外道の徒が登場します。古来多く浄影の「維摩経義記」等によって、
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手元にある『岩波仏教辞典』(岩波書店)の「六師外道」の項には、
「仏陀(釈尊)とほぼ同時期の紀元前5−6世紀頃、ガンジス河中流地域のマガダ地方を中心に活躍した6人の自由思想家を総称した呼び名」とあり、その6人とは、とあります。(※長部とは南方上座部仏教に伝わるパーリ語の原始仏教聖典のうち、長い経典を集めたもの)だとし、「かれらは、その時代に先立つバラモン教の祭祀・供犠の宗教を批判し、ヴェーダ聖典の権威を否認し、否正統的で自由奔放な考え方をしたので、自由思想家群と呼ばれる。
- プーラナ・カッサパ(道徳否定論) [不蘭迦葉]
- マッカリ・ゴーサーラ(宿命論的自然論) [末迦梨瞿舎利]
- アジタ・ケーサカンバラ(唯物論、快楽論) [阿耆多翅舎欽婆羅]
- パクダ・カッチャーヤナ(無因論的感覚論、七要素説) [婆浮陀迦旃那]
- サンジャヤ・ベーラッティプッタ(懐疑論、不可知論) [散若夷毘羅梨沸]
- ニガンタ・ナータプッタ(自己制御説、ジャイナ教開祖) [尼乾子]
なお、六師の配列やその思想内容は資料によって錯綜するが、その第一資料『沙門果経』(長部1−2)は、仏陀時代の思想家たちを知る上で重要である」
さらにご参考までに、中村元著『インド思想史第2版』(岩波書店)から、六師に関する記述を抜き書きします。
合掌
[相川拓善]