平成アーカイブス  <旧コラムや本・映画の感想など>

以前 他サイトに掲載していた内容です

[index]    [top]
【本・映画等の紹介、評論】

h15/2/23

浄土真宗 仏事作法 なんでも大辞典

アミ研(現代真宗作法を考える会)/中国新聞社

 ここまで書くのが現代流?

 本屋に行くと、仏事作法のハウツー本は山ほどある。中には宗旨をごちゃ混ぜにした作法書も出ているから注意してほしいのだが、[本願寺出版社]においても、末本弘然著『仏事のイロハ』はロングセラーとなっているし、他の出版社からもそれぞれの宗旨ごとに仏事の解説書が出ている。かつては仏事のことは親や親戚に聞いたものだが、核家族化が進んだ上、最近は親も仏事を知らない有様で、ますます作法書は必需品となっている。
 しかし、実際に法要の施主になったりすると、それらの作法本だけでは記述不足の点も多く、かといって法式の専門書などは読んでも理解しにくい点があるので、結局僧侶にこと細かに尋ねることになる。まあ、僧侶はそのために居るようなものだが、事情で尋ねにくいこともある。

 この点、アミ研(現代真宗作法を考える会)の編集した『浄土真宗仏事作法なんでも大辞典』は、具体的でかゆいところに手が届く記載になっている。
 例えば、仏壇の飾り方も、大きさによって3種類の例をあげているし、お墓参りの時の持参品まで紹介してある。また葬儀も葬儀社の選定から席次、弔辞の文例、弔電の打ち方、御布施の金額の傾向までも書いてある。

 なお、全ページにわたって「ひとくち法話」が入れてあり、文中に法縁を促す言葉も多く盛り込まれている。多少、広島地域限定の情報もあるが、基本的には全国共通の内容であり、浄土真宗本願寺派の冠婚葬祭全般を網羅しているといえるよう。
 本の帯には:「これ一冊で浄土真宗のエキスパート。喪主の役割、通夜・葬儀の基本的な知識、参列する際に知っておきたいこと、焼香の仕方、読経の仕方、お布施、香典、お仏前、お祝、仏壇の飾り方、迷信と俗習など。一読すれば、基本から応用まで全てマスターできます」とある。至れり尽せりが現代流なのだろうが、詳細に踏み込み過ぎの感が無くもない。
 そこで、「本来は信心の上から自らが考えるべきことも多いので、参考程度に読むべきである」と苦言だけは呈しておこう。そのうち僧侶もこのような本を参考にする時代が来る(来てる?)かも知れないので。

[Shinsui]


[index]    [top]

 当ホームページはリンクフリーであり、他サイトや論文等で引用・利用されることは一向に差し支えありませんが、当方からの転載であることは明記して下さい。
 なおこのページの内容は、以前 [YBA_Tokai](※現在は閉鎖)に掲載していた文章を、自坊の当サイトにアップし直したものです。
浄土の風だより(浄風山吹上寺 広報サイト)